マツダ アクセラスポーツ 15C 5MT (2008年1月MCモデル)

2019/12/30

概要

今更ながら、マツダアクセラ(BK型) 15C 5MTのインプレッションになります。
初代のアクセラであり、2003年から製造を開始し、2009年に2代目(BL型)に引き継がれています。
登場の経緯についてはここでは特に述べません。



2014年3月に走行距離25,000km弱のものを中古で購入しました。
グレードは15C 5MT
メーカーOPとして、スポーツパッケージ(リアスポイラー、リアディスクブレーキ)が付いていました。
MTの玉が少ない事もあり、同程度のATモデルよりは20万円ほど高くつきました。


エクステリア

発売当時は、日本車らしからぬデザインでした。
今となっては、より優れたデザインや、奇抜なデザインが多くあるため、特段目立ったりはしないですが、
まだ"古くささ"は感じないデザインだな、と思っています。
(BMアクセラやマツダ3と比べると、どうしても"古さ"は感じますけどね)
個人的には、BLアクセラより好みのデザインです。

2017年1月に、フロントグリルをSグレードグリルに交換しました。(2017年1月 日記帳)


動力性能

エンジンは、MZR 1.5L、直列四気筒DOHCガソリンエンジンです。


2.3Lガソリンや、2.2ディーゼル(欧州仕様)も載るだけあって、エンジンルームには余裕があります。

主なスペックは次の通りです。
型式 ZY-VE
排気量 1498cc
最大出力 114ps(84kW)/6000rpm
最大トルク 14.3kg・m(140N・m)/4500rpm
ボア・ストーク 78.0mm×78.4mm
圧縮比 10
燃料 レギュラーガソリン、ポート噴射
推奨オイルは、0W-20です。

マツダは、SKYACTIV-Gが出てくるまで、このMZRエンジンを主力としていました。
大きな特徴のないかわりに、欠点も特にない無難なエンジンといった印象ですね。

車重1210sに対して1,500ccのNAガソリンエンジンなので加速性能はそれなりです。
回転数と出力の関係も普通であり、回してもガツンと加速感が来るわけでもありません。

5MTは比較的ワイドレシオで、5速においては、100q/h時で2750rpmほどになります。
そのため、高速道路での追い越しについては、シフトダウンが必要な場合があります。
エンジンのレスポンス、リニアさは、断然Keiのほうが良かったです。
普段使いで多用する2500rpm以下では、車内に入ってくるエンジン音はかなり小さく静かです。
極低回転では、ボロボロボロと独特な良い音がして、MZRエンジンだとすぐにわかります。
回せば、フォーーン、といった感じで回ります。
変な振動も出ませんし、ガサガサ感もしないです。
回ってるだけでやかましい、といった印象もありません。


エンジンレスポンスは、黎明期の電子スロットルの(制御の)ためか非常によろしくありません。
パワーが無い云々の話ではなく、アクセルペダルの操作に対する、エンジンの応答が遅いのです。
それを最も感じるのが、シフトチェンジの時で、
アクセルを抜いてから、エンジンの回転が落ちてくるのにタイムラグがあります。
また、車庫入れ時、出発時など、低回転時、アクセルペダルの踏み込み量に対しての反応が過敏で、
エンジン回転数が高くなりすぎます。(Piotスロコンのエコモードで改善しました)
スズキ Kei (HN11S)のほうがレスポンスは圧倒的でした。
やはり、ワイヤースロットルには敵いませんね。
ATでは気にならないと思いますが、MTでは「ZOOM-ZOOM」にはなり得ません。

※あまりにひどいアクセルレスポンスに辟易しまして、ECUのチューニングを2回ほどしました。
   その感想についてば別記します。

ハンドリング

パワステに、電動ポンプ式油圧パワーステアリングを採用されています。
油圧パワステの優れたハンドリングと、電動パワステの低燃費効果のいいとこどりができる方式です。
反面、構成が複雑、かつ高価格になってしまいますが、それを採用したマツダのこだわりが感じられます。
車庫入れの際などで、窓を開けて、ハンドルを切ると、キュイーーーンという独特の音がします。
電動ポンプ油圧パワステであることが分かるいい音と、私は思っています。

操作性は軽すぎもせず、重すぎもせずですね。
ハンドリング自体は、センター付近においても違和感はありません。
2.3Lガソリンエンジンを載せるところに、1.5Lのエンジンが載っている訳ですから、
頭は非常に軽く、切込み角に対して素直にライントレースができます。
ステアリングインフォメーションは、しっかりしています。

操作系

BMアクセラやNDロードスターに比べると、シフトレバーが低く、遠く感じます。
アクセルペダルは、ブレーキペダルより奥まった位置にあります。
ブレーキが効き始めから強めに効く事と、ワイドギアレシオ、
鈍いアクセルレスポンスと相まって、ヒールトゥはかなり難しいです。(ブレーキを強めに踏む状況だと、上手くできます)

クラッチ・トランスミッションについて
クラッチは油圧です。
クラッチの繋がり方は、ぬるっとしていて、繋がったのか繋がってないのか、わかりにくいです。
スムーズに変速するためには、慎重な操作を要します。
クラッチペダルは、ミート位置がかなり手前にあります。
自動調整機能付きの油圧クラッチであること、アジャスターが無いことから、ミート位置調整が出来ません。
いくらコストダウンとはいえ、ミート位置調整ぐらい出来るべきと思います。
シフトフィーリングは、SKYACTIV-MTと劣っているとは感じないですね。

インテリア

特に目立った点はありませんが、
アナログの大型三眼メータのデザインはとても良いですね。



センタータコならもっと良かったですが。
昼間の印象は普通ですが、夜間はスポーティーな印象となります。


この色使いとデザインは今でも秀逸だと思います。

エンジンが暖まっている状態で、IG-ONにすると、
水温計と燃料計が動き、現在値を指しますが、
この際の、アナログメーターの動きが実にいいなぁ、と最近思うようになりました。

座席・シート

ファブリックシートです。
運転をしていて、気になることもない無難なシートですね。
ということは、良いシート、という事なのでしょう。
長距離も苦になりません。

ちなみに、後部座席はリクライニングしません。
マツダ車のコンパクトカーは後部座席がリクライニングしない車が多いですね。

静粛性

当時のマツダ車共通かと思いますが、ロードノイズは多めです。
タイヤの硬度が高めのエコタイヤを履くと顕著に表れるかもしれません。
反面、ステアリングインフォメーションは豊富で、最近の車でよくある浮遊感はありません。

荷室

車格相応の広さかと思います。
後部座席が6:4で倒れますので、荷室を広げることが可能です。
一般的な26インチかご付き自転車を載せられないこともないです。
後部座席を倒したときに、段差が出来ないので、やろうと思えば車中泊も可能です。(後部座席部分に傾斜はある)

オーディオ関係・ナビ

純正のオーディオがついています。
DINタイプではないので、デザインはすっきりしています。
機能として、車速に応じて音量を自動的に変化させられる機能(ALC)がついており、非常に便利です。
時計はクォーツ精度が非常に悪いです。1か月で2分はずれますね。
納車してもらうときに、社外品のツイーターを追加しましたが、やはりツイーターはいいですね。
音にクリアさが出ます。

純正オーディオを取り外し、一般的な2DINタイプのオーディオやナビを取り付ける事も可能なようですが、
一工夫必要のようです。

燃費

10・15モードの18.0km/lの達成は難しいです。

平坦な道を走っての話ですが、
OBDII対応レーダー探知機 GWR81sdの値では、
エンジンが冷えた状態から始動して、
・片道6qの信号が少ない郊外路を通勤して、約15q/l程度
・信号が多い街中を10分程度走って、12q/l程度
エンジンが暖まった状態で、
・高速道路を90〜95q/hで走って、19q/l程度
・信号の少ない郊外路を走って、17〜18q/l程度
・信号が多い街中を10分程度走って、13〜15q/l程度
といったところです。

その他

タイヤサイズは、195/65R15です。
2代目以降のプリウスと(グレードによりますが)同サイズであり、タイヤは安く手に入ります。
インチアップもしやすいかと思います。
但し、ホイールはPCDが114.3なので注意が必要です。(プリウスはPCD100)
ちなみに、エアコンフィルターの交換は非常に手間です。(2017年2月 日記帳)

燃料タンクが55Lと、1.5Lの車としては大きいので、
高速道路なら1回給油で1,000qの走行が可能です。

最後に

総合的に見まして、
◆良いところ
・高いハンドリング性能
・1.5Lなので、車格に対して維持費が安い。
  (最近は、ダウンサイジングターボ流行りのため、そうとも言えませんが)
・メーターデザイン

◆良くないところ
・アクセルレスポンス
・クラッチミート位置調整が出来ない。


といったところでしょうか。
古い設計の車ではありますが、ハンドリング性能はかなり高く、
このレベルに慣れてしまったら、足回りがフワフワでステアリングインフォメーションが貧弱な車は乗れなくなるのでは、と思います。


今、あえてBKアクセラを買おうと思っている人は、
よほどの理由があるのだと思いますが、
MTの1500cc BKアクセラを狙うのであれば、高くともBMアクセラが良いかと思います。
BKアクセラのアクセルレスポンスが、ほかの良さをスポイルしているからです。
クラッチミート位置も調整出来ず、MT車乗りとしては、がっかりしてしまいます。
やはり、台数の売れないMT車のための専用部品は、極力削減し、開発コストも削ったのでしょう。
そういった点が透けて見えるのが、MTのBKアクセラの残念なところです。

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