2007年7月31日 火曜日

7月もー

気がつけば、もう、7月も終わりであります。
今月もあっという間です。
ちなみに、半ばあたりには私の誕生日があったのですが、その日は特に珍しいことも無く、昼食はパスタ。夕飯はざるそば(挙げ玉付き)でした。
全くもって、豪華さが無い。
いや、逆に誕生パーティーなんて開かれても、頭下がりっぱなしでどうしようもない気もしますが。

それはさておき、まだ関東地方は梅雨明けしませんね。
テレビのニュースによると、5日ごろになるようですが、それが本当なら私の地元の梅雨明けはいつになるんだ、と騒ぎたくなります。
3,4年前はたしか梅雨明けが発表されませんでしたからね。
そんな夏にはなってほしくないものです。

スーパーライトな感じSSを書いてみる

今ではかけない昔の文の構成を、復元してみよう!
という事で、サンプル的に何かを書いてみたいと思います。
登場人物は相変わらずいつものメンバーです。

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なんだかんだ言って梅雨である。
空からザーザー降り注ぐ水玉はまるで、・・・雨だ、雨。
まるで、でもなんでもねぇ。
「・・・」
今は放課後だ。
クラスのみんなはほとんど帰ってしまって、教室には残っていない。
そんな中、俺は何をしているかというと、自分の席に座って、到底やみそうも無い雨と雨雲を睨んでいる。
本当は、さっさと帰宅してのんびりごろごろする予定だったんだが、雨の為に足止めを食らってしまったのだ。
情けない。
「タカシー」
「?」
顔を少しひねると、やけににこにこした表情のかなみがいた。
「相変わらず腑抜けた顔してるわねぇ」
とかなんとか言っている。
相変わらず、失礼なやつだ。
というか、クラス違うだろ。なんでここにいんのよ?
「雨だし。傘持ってきてないし」
「天気予報見てないの?」
「朝は、ある意味戦争なんだよ」
のんびり天気予報なんか見ている日には遅刻してしまう。
それに、雨降ると思ってなかったんだよ!
朝のうち天気よかったし。
「あーそっかー、遅刻常習犯だもんねぇ、タカシは」
かなみはそう言うとけらけら笑った。
うるさいぞ。
「で、いつまでこうしてるの?」
「いや、どうしようもないから途方にくれてた」
「えっとね、ここに傘があるんだけどー・・・」
かなみはそう言うと、鞄の中から折り畳み傘を取り出した。
「・・・どうする?一緒に帰る?」
どうやら、相合傘をして帰ろうとのことらしい。
「お、いいのか?」
「だって、雨にぬれて帰らせるのも、なんか悪いし」
すこし視線をそらして、そんなことを言うかなみ。
そっかそっか。
なんというか、なんというか、可愛いな。
「じゃあ、かなみと恋人気分でも味わいながら帰りますか」
机に引っ掛けていた鞄を手に取り、立ち上がる。
歩き出すと、かなみがいつものように隣についた。
「ま、かなみじゃ彼女にするには役不足って感じだけどな」
「むきー!だれが役不足よ!」
かなみは不機嫌そうな顔をすると、俺の手のひらをぎゅっとつまんだ。
「いでぇ、・・・ジョークだよジョーク。・・・ところで今日の夕飯は何?」
「えっとねぇ、シチューなんかどうかな?」
「お、それはいいな」
梅雨時の冷たい風に当たった体には心地よさそうだ。
「帰りに店に寄ってくか?」
「うん。荷物もちはお願いね、・・・お兄ちゃんっ」
そう言ってかなみはいつもの笑顔を浮かべた。

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かなみは妹だったというオチなのですが・・・
・・・
・・・・・・
面白くねぇ。
というか、流れがなってねぇ・・・
いや、なんというか、説明文とか相当端折ってるんですが、
やはり昔の書き方は復元できませんねぇ。
また、何を書くのか考えないでスタートしたために、まとまりにかかる文章になってしまいました。
うむー、やはりリハビリが必要なのか・・・

2007年7月28日 土曜日

灼熱

関東地方も、もうそろそろ、梅雨が明けていいんじゃないかな、というかさっさと明けろ、とぶつぶつ言いたい今日この頃ですが、
今日は久しぶりの猛暑となりました。
暑い暑い。

約37度であります。(というかまたこの写真か)
(毎度の事ながら、温度計。37度ぐらいを差してます)

家に帰ってくると、体を包み込むように襲う熱気。
例えるなら、夏場のビニールハウスか!といった感じです。
とりあえずエアコンを、と思ったのですが、すぐに外に出る予定があったので、とりあえず窓を開けて、扇風機をON。
ですが、汗が干上がる頃には、扇風機の風さえ、ドライヤーの「COLD」モードのような感じで、ちっとも涼しくない。
というか、扇風機の風が暑い。
これはエアコンがないと脱水症状になるかもな、と思いました。

で、7月28日であります。
若い世代の世間で言うと、いわゆる夏休みですね。
前にも書いたと思いますが、今の私の心境は、
暑いだけで、ちっとも夏じゃない
昔は、今の時期、海に行って、犬と一緒に泳いだり、釣りしたり、山に行って山菜とったり、カブトムシ取ったりして、
季節との一体感、があったものですが、今では何にも無い。
ただ単に暑い季節であります。

去年の夏は、車の免許が無かったので行動に制限があったり、そもそも教習所通いで、自由が利きませんでしたが、
今年の夏は車という武器を存分に生かして、海に行ったり、山に行ったり、川に行ったり、したいと思います。
でも、お盆を過ぎるともう秋なんですよねぇ、地元は。

光るー海ー、光る大空ー♪♪

で、変なタイトルですが、一体何かというと、我が家でもFTTH(ファイバートゥザホーム)が開通した、ということです!
しばらくの間、私が住んでいる付近だけFTTHが通っていない、というおかしな事態が起きていたのですが、
さる7月1日、ついに提供が始まりまして、その翌週あたりに申し込み、25日に開通しました。

「光るー海ー!!光るー大空!! (だみ声で熱唱)」
(配線工事中のひかり電話機能つきのルーターと、端末装置が一体化したやつ。
 ADSLのルーター付モデムより二回り大きくて、でかっ!と思ってしまいました)

フレッツ光 ハイパーファミリータイプ、プロバイダは今までどおりOCNで、プランは「OCN 光 with フレッツ」です。
コジマで申し込んで、計3万円分の還元を受けることができました。
工事は思っていたより早く終わり、こんなもんかなぁ、と思いました。
工事自体は、まず、電柱からの引き込みに始まり、野外配線、そして屋内配線と、いう流れで、
野外の部分は家の中で待機しているうちに、完了。
屋内配線も非常にすばやくて、さすがプロだと思いました。
しかも、目前でめったに見られない光ファイバーの端末処理も見ることができたので、非常に興味深かったです。

で、気になるスループットですが、PCの設定をいろいろといじった結果、最高で下り39.8Mbps、上り4.5Mbps。
ADSLのときに比べて、下りは約16.5倍、上りは約6.6倍となりました。
実際問題、「そんなに早くてどうするんだ、使わんだろう」という話ではありますが、
料金自体がADSL契約のときとほとんど変わりませんし、さらにはIP電話のほうも音質の向上が見込めますからね。

これからは光ファイバー生活を十分楽しみたいなぁ、と思っています

2007年7月18日 水曜日

地震再び

ここまで騒いでいて、知らなかった、という社会情報に無頓着な人はいないと思いますが、
先日16日月曜日の午前10時13分ごろ、新潟の上中越付近で大きな地震が起きました。
私は、家でゴロゴロしていて、まるでプリンやゼリーの上に立ちゆすられたような揺れを感じたのですが、
まさか、また新潟だとは微塵も思わなかった。


(読売新聞 17日朝刊 第一面)

日本が地震大国であることは、日本人ならだれしも多少はわかっていることだとは思いますが、
さすがに、たった3年のブランクで6強クラスの地震が再び似たような場所で起きるとは普通は考えにくいでしょう。
私も、今回の揺れを感じたとき、ついに東京のほうに来たか、と一瞬考えましたし。
本当に、現地の人たちにとってはたまったものではないと思います。
ライフラインも止り、本当に大変な状態だと思うので、各機関の迅速な対応と、一刻も早い復旧を願うばかりです。



今回の地震で、震源地付近あった柏崎刈羽原発がダメージを受けて、原子炉が停止してしまったようですが、
設計段階で、加速度450ガルまでの地震ならば、「原子炉を冷やす」「放射能を外に漏らさない」「原子炉を停止する」の機能を保持できるようにはなっているようです。
ですが、今回の地震で受けた揺れの最大は、柏崎市西山町で1019ガル。
原発でどのぐらいの加速度を観測したのかは分かりませんが、少なくとも450ガル以上の加速度を受けたのだと思います。
ちなみに、ガルとは、1cm/S/S (1cmパー毎秒毎秒の事)で、地球の重力加速度が9.8メートルパー毎秒毎秒なので、今回の地震ではおよそ1Gちょっとの加速度を受けたことになります。
イメージはし難いかもしれませんが、その激しさは、今回の被害が証明していると思います。
(参考にですが、新潟県中越地震では、最大で1722ガルを観測したようです。)

原発が止ってしまった結果、今年の夏は電力供給が厳しくなる、ということが新聞には書いてありました。
ただでさえ余力があまり無い電力事情だというのにで、100万kW単位での出力が可能な原発がストップするということは、東京電力にとっては災難でしょう。
東京電力は代わりに火力発電所や水力発電所などを稼動させると思いますが、
それでも足りない分は、おそらく、東北電力とかから電力を買うことでカバーすることになると思います。
電力供給の制限なんて事態にはならないと思いますが、もしそういった事態になってしまえば、経済活動が滞って、日本経済に大きな影響を与えることになるでしょう。
今年の夏は、省エネを心がけるべきかもしれません。

ホームページ

先日、ホームページが一時閲覧できない状態になってしまいましたが、
ディスクスペースを貸してくれている会社の「お知らせ」の項目に、その状態のことが書いてあり、
やはり、データがおいてあるほうのDNSが原因という事でした。

まあ、マイナーなサイトですし、それほど神経質になることも無いのですが、
こういった事態が起きるたびに、「ホームページが消されたのではないか!」と不安になってしまいます。
うむー。

2007年7月15日 日曜日

台風が

実は、我が家にはテレビというハイテク機械が置いてなかったりします。
本当ですよ?

昔は実にいろんな番組を見ていたのですが、
過去、家を引っ越した際、TVの画質が(地理的条件の為)極度に落ちてしまい、それ以来あまりテレビというものを見なくなってしまいました。
まあ、他にもいくつか原因はあるんですけどね。
不思議な事に、テレビからしばらく離れていると、別にテレビなんか見なくても問題ではなくなるのです。

一応、行き遅れないために、PCに接続するTVチューナーが置いてあり、それを使ってテレビを見たりするのですが、画質が非常に芳しくない。
接続が悪いのか、アンテナの拾いが悪いのか、それともチューナー付近で何かしらのノイズを受けているのかは分かりませんけど、
とにかくノイズだらけで話にならない。
おかげで、地元にいた時以上にテレビ視聴生活から離れてしまい、
「テレビ?それって喰えるの?」
という状態になって今に至ります。さすがに食べはしませんけどね。

で、その為か、今回の台風の件も、友人と
「最近、天気悪いよな」
「ああ、だって台風近づいてきてるから」
「え?台風?何号よ?」
「たしか、4号だったかな」
という会話を交わすまで、全く気が付きませんでした。
あいやー

太平洋側沿岸をなぞるように進路を取った今回の台風4号ですが、幸いにも
私が住んでいる付近には直撃しなかったので、何かしらの影響があったという事は今のところ無かったです。
青いポリバケツが庭先に飛んでくるという、ベタなシチュエーションも、その他諸々のベタなシチュエーションもありませんでした。
あたりまえですがね。
一人暮らしですし、ごく普通の一般人Aですしね。
とはいうものの、沖縄方面では大きな被害がでてしまったようで、相変わらず自然の驚異は恐ろしいと思わされます。
そして、こうやって"のほほん"とHPを更新している今現在、その被害で苦しんでいる人がいると思うと、
「台風」をネタにした小説を書くのはどうかねぇ、と思わされますね。
適度に、人様の逆鱗に触れないよう、ちまちまとやって生きたいとは思いますが、
どちらにしろ、もう「台風」絡みのシチュエーションで何かを書く気はないんですけどね。
というか、面白いのを書ける気がしない。


と、小説ネタの話は横においておくとして、
テレビぐらい買ったほうがいいんでしょうかねぇ、最近ではブラウン管安いですし。

ちなみに、今回の台風「マンニィ」という名が付いているらしいです。
・・・なんという意味なのかさっぱり分かりません

新型デミオ

私はどちらかというと、多趣味な人間で、しかもお金がかかるようなものばっかりが趣味だったりします。
カメラだったり、自転車だったりね。
パソコンは・・・趣味なんでしょうかね。
どちらかというと、趣味というよりはただ単に拘ってるだけのような気もしますが、
実は、車なんかも趣味のひとつだったりします。
まあでも、車を所有している訳では無いので、趣味といえるかどうかは分かりませんが、
それでも、最新の情報となると、わくわくしてしまいます。
日産スカイラインGT-Rとか、レクサス LF-Aとか、ホンダ S200とか、スバル インプレッサとか、三菱 ランサーエボリューションとかに代表される、
スーパーなスポーツカーもやはり興味をそそります。
ですが、実際に乗るとなると、「速さが、馬力がすべてだ!」と単純に騒ぐこともできないので、
車系の雑誌を読むと、とりあえず自分が乗れそうな、現実的なラインで車なんかを見てしまいます。
まあ、コンパクトカークラスですか。主に、排気量は1.5l以下の。
しばらく前は、ダイハツのミラ アヴィ(軽)なんか、いいなぁ、なんて思ってたのですが、新型になってマニュアル+ターボ仕様がなくなったので、
気になるリストから転落。軽でターボなしは非常にかったるい。

トヨタ ヴィッツは、軽いけど、タコメーターないし、いかにも女向けって感じで、乗る気なし。
足回りもなんとなく貧弱そうだしね。運転席にのっても、ぜんぜんワクワクしなさそう。

マツダ デミオは、1.5lのマニュアル仕様、タコメーター付きがあるけど、競合車よりでかいし重いし、それが影響してか燃費は若干悪いから、
惜しいけど却下。それに如何せん、地味な気が。

同じくマツダの アクセラは、1,5lの場合、マニュアル仕様で、タコメーターも装備してるけど、やっぱり車体が大きいし、その分重いし、
だから、これも惜しいけど却下。スタイリングは好きなんですけどね。

そして、そう考えていくと、現実的なのが、ホンダのフィット。
1.5l、マニュアル仕様のモデルが、タコメーター付きで990kg。
実は、この1tを切っているというのが結構なポイントで、1t以下になると重量税区分が0.5tから1tまでの金額になり、
1年間で6300円が浮くことになります。(大した金額ではないですけどね)
なので、まあ、玉数出すぎな感じもしないわけではないけども、実際に乗るんだったらこの車かなぁ、なんて妄想しておりました。

ですが、
新型のデミオが出る!しかも今までよりコンパクトになり、燃費も向上する予定だ、なんて話を聴きまして、
なにぃ!本当か!と先日まで、内心「ピーピー」と騒いでおりました。
なにせ、いつも、どんな車にでも走る楽しみ、という要素を組み入れてくる会社でもありますしね。
そして、今月の4日についに日本仕様車の詳細が公開され、一通り目を通したところ、これだ!と思いました。
15Cというグレードなんですが、重さはマニュアル仕様で980kg、もちろんマツダだけにタコメーター付き。
スタイリングも悪くは無い。
また、SPORTという、1.5lエンジンを載せたグレードには、各種エアロパーツやディスチャージヘッドランプ、ブラックアウトメーター、
16インチアルミホイール(このクラスにしては大きい)、本皮巻きステアリング、など私にとってはたまらない装備をしており、
まさに垂涎もの。
しかも、マニュアル仕様もあり、重さも1tジャスト。
昔から、このような、軽くて、スポーティーで、燃費がいい車はないものか、と思っていたので、うれしい限りです。
しかもこのデミオ、法人仕様車を除き、標準でタコメーターが無い車でも、メーカーオプションでタコメーターを装備可能らしく、
さすがマツダ、だと思わされました。
採算性重視の会社ではこんなことやりませんからね。
ありがたいというか、頭が下がるというか。


私としては非常に乗ってみたい車、いや所有してみたい車であるので、現行型のデミオぐらいに売れてほしいと思います。
尤も、買えるとしても数年後にはなりそうなんですが。
まあ、地元に帰ると青のアテンザスポーツを自由に運転できるので、ある意味それだけで満足なんですけどね。

2007年7月4日 水曜日

日本語がー

最近、日本語の表現能力が極度に低下してきているような気がします。
というのも、面白い文章が書けない。
まあ、もとより面白い文章が書けていたかどうかは疑問ではあるんですけどね。
例えるなら、水道管にゴミが詰まって出が悪くなったような感じで、イメージが引っ掛って出てこないというか、
うまく変換されていないというか、とりあえず、頭がすっきりしないのです。
更新時間が夜の時間帯という事も原因のような気はしますが、昔は夜の時間帯の方が筆が進んでいたので、
そう考えると、やっぱり、頭の回りが悪くなっているのか。
しばらくの間、長ったらしい文章を書くこともしていませんしねぇ、そろそろ腐敗してきているのかもしれません。

んで、なんでそんな書き出し方をしたかというと、
今日、コンパクトフラッシュのフォルダから、昔途中で書くのを放棄したSSのようなものがいくつか見つかりまして、
どんなもんかなー、と思って読んでみたのですが、これが結構面白い。
しばらくの間、じーっと読み直していました。
まあ、自分で面白いとか言うのもどうかと思いますけどね。
そして、そのSSらしきものが、以下のものなんですが、最初の作成日はなんと、2004年12月12日20:59:00です。
古っ!

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「寒っ」
体に肌寒さを感じ、目が覚めた。
カーテンの隙間から、わずかに明るくなった空が見える。
・・・起きるか。
いつもと比べれば、起きるのが少々早いけど、なんか、寒くて2度寝する気にはならなかったし、眠れそうも無かった。
ベットから這い出て、立ち上がると、フローリングの冷たさに思わず驚いた。
足の裏が、冷たいし、痛い。
だまって立っていられない。
「あー、起きよ、起きよ」


教室に来て、机に突っ伏して、失われた睡眠時間を取り戻そうとしていると、
眠りに着く前に、その前に声をかけてくる奴がいた。
「おっす、洋一」
明彦だ。
高森明彦。
こいつとは、中学時代からの腐れ縁だ。
身長は俺よりも高くて、180cm近くぐらいある。
さやわかな笑顔がよく似合う奴で、女子連中には結構もてるらしい。
・・・らしい。
「・・・」
片手を挙げだけして、適当に答える。
「今朝、初氷観測だって。洋一は見たか?」
「氷の事?」
「氷の事だ」
「ああ、それなら見たよ。朝っぱらから、『氷!氷だよっ!』って騒ぐ奴がいてな。氷に穴が空くほど見てきた。まあ、誰とは言わないけどな」
俺の背後で、他の女子と騒いでいる彩香に聞こえるよう、台詞の部分を強調して言う。
ぴくっ、と彩香の動作が一瞬止まった。
そして、振り返り、俺をギロッ、と睨みつけてくる。
「よーいち!!」
「ん?」
「何か言わなかった!?」
彩香は、俺の目の前に歩み寄ると、腕を組み、仁王立ちした。
こっちはイスに座っている状態だから、必然的に見上げる形になる。
初めて見る人だったら、その迫力に気おされてしまうかもしれない。
「あー、別に。ただ、朝っぱらから『氷!氷だよっ!』って騒いでる奴がいたなぁ、って明彦と話してただけー」
『氷!氷だよっ!』の部分だけ、声のトーンを上げて、発音者に似せる。
「それ、誰の真似?」
冷たい彩香の声が耳に響く。
「さあ?」
アメリカン風に”分からない”のポーズをとって、視線を宙にさまよわせる。
すると、彩香は悔しそうに頬を膨らました。
「むうぅぅぅ…普通、氷見たら喜ぶでしょ!?」
いや、んなこと言われても…
「あー、まあ、嬉しくないのかと言われれば、そんな感じがしないわけではないとは思うが、それはどうだかわからない。が、少なくとも誰かさんのようにはしゃぐレベルではないと思う」
「なんだそりゃ」
明彦があきれたように言う。
まったくだ。自分でもなに言ってるのかよくわからん。
「まあ、要は、氷ごときではしゃぐのは俺には不可能、という訳」
「最初からそう言えばいいでしょうが」
「ストレートにバカと言われるより、ちょっと普通の人と違う、と言われたほうがいいだろ?」
「よーいちにだけは、どっちも言われたくない」
「分かる気がする」
分かるなよ、明彦。
「おはよ。朝から随分と賑やかね」
凛とした声が、背後から聞こえる。
声のしたほうを向くと、陽子がいた。
本名は、藤代陽子。
中学時代からの、彩香の親友で、現クラスメイト。
この陽子も、俺たちとはなにかと腐れ縁だ。
きっと、彩香という名の磁石が、陽子を磁化させてしまったのだろう。
可哀想に。
性格は彩香と正反対の穏やかな性格で、常識人だったりする。
この陽子がいてくれないと、このメンバーは崩壊すること間違いなし。
「好きで賑やかにしてる訳じゃないんだけどな」
ちらっと、横目で彩香を見て、言う。
それに気がついた彩香は、口を尖らせてむくれた。
「あら、でも楽しそうよ」
「陽子、冗談言わないでよ、何が楽しいもんですか」
「それはこっちのセリ・・・いでっ」
頭、叩かれた。
「コレが挑発的な態度取ってくるのが原因なんだから」
そう言って、ビシィ、と俺のほうを指差してくる。
俺は物かい。
「まあ、それにのる佐倉も佐倉だけどな」
「ほら、白状したら?楽しいんでしょ?」
「むー」
明彦と陽子に突っつかれた彩香が、ものすごーく、不満そうな顔でこっちを見ている。
なぜそこで俺を睨む。
・・・
「いでっ!」
だから、叩くなって!
「まあ、がんばれ」
見放すな、明彦。
止めてくれ。
「楽しそうだと思うよね、高森君」
「全く、その通りだよな」
というか、陽子と明彦、一歩下がって見物するな、なんとかしろ。なんとか。
「だから、痛いっての!」


「あ、よーいち。今日、遊びに行ってもいい?」
放課後、鞄に荷物を突っ込んで、足早に教室から立ち去ろうとすると、教室を出たところで、“奴”に捕まった。
そう、奴に。
「いや、ちょっと俺は急ぎの用事があるもので」
もちろん、そんなものはないけど、“奴”に捕まるとろくなことが無いので、じゃ、と右手を素早く上げて、逃走を図る。
今だっ!
「あ、待ってよ」
「いでっ!」
前に進もうとしたが、腕に痛みが走り、体のバランスが崩れた。
左腕を見ると、彩香にしっかりと掴まれていた。
「何で逃げるわけ?」
彩香が不満そうな顔で俺を見ている。
しかも、腕を掴まれたままで。
「いや、まず、その腕を放してもらえないかな?」
そうしてもらわないと、話をするにも出来ないじゃないか。
「だって逃げるじゃない」
・・・ばれてる。
「に、逃げねぇよ」
ったく。
「で、彩香は何のようで俺のうちに来るわけ?」
「いいじゃん。暇なんだし」
だと思った。
「あー、何で呆れてる顔するのよ?」
「別に・・・」
いや、あまりにもワンパターンだからな。
ここでやっと彩香は俺の腕を開放してくれた。
あー、血が通ってないのがあからさまに分かる。
おーいて。
掴まれていたところを軽くマッサージしつつ、彩香に背中を向ける。
「明彦と陽子は?」
「あたし、よーいちと二人っきりで・・・いたかったんだけど・・・」
え?それってどういう・・・
思わず振り返った。
振り返ると、目の前に、すこし顔を俯かせた彩香がいた。
どこか悲しそうな表情をしている。
ど、どうしたらいいんだ?
彩香、今、何て言った?
二人きりでいたかった?
「あ、彩香・・・」
そっと、彩香の肩に手を置いた。
ん?
肩が小刻みに震えてる?
「ぷ・・・はは・・・あはははは」
彩香が急に笑い出した。
思わず、手を引く。
さっきの妙な面持ちとは全く違って、あははは、と声を上げて笑っている。
・・・もしかして・・・
「あははっ、え?何?よーいち本気にしたの?おどおどしちゃって・・・あはははっ」
・・・ったく。
だまされた訳か。
「おもしろーい」
何が『おもしろーい』だ。
面白くなんかあるもんか。
「お前となんか、こっちが願い下げだね」
そう言って、彩香に背中を向ける。
一瞬でも本気になりそうになった俺が馬鹿だった。
そして、歩き出す。
「あ、待ってよ〜」


ピンポーン
インターホンを軽く押す。
・・・
『はーい』
しばらくして、中から見知った声が聞こえてきた。
がちゃ、と鍵が解除される音がして、住人が顔を出した。
「あ、お兄ちゃん。お帰り」
顔を出したのは、渚、俺の妹だ。
どっかに出張中の両親の代わりにいろいろとしてくれている。
本名は、柳原渚。
ちなみに、俺の名前は、柳原洋一。
「ただいま、渚」
「やっほ、渚ちゃん」
彩香が俺の背中から顔を出した。
そして、俺を押しのけて玄関に入っていく。
「・・・うぐ」
「あ、彩香ちゃん。今の時間に来るなんて珍しいね」
「うん、ちょっとね」



彩香がわざわざうちに来たのは、どうやら渚と話をするのが目的らしかった。
俺のことなんかほっおって置いて、なにやら話をしている。
この前、それも2日ぐらい前も話してただろうに。
何をそんなに話したいのか。
男の俺にはよく分からん。
『ねーそれでね・・・』
『え?そんなのも?・・・』
しかし、よく分からん話を隣で聞いているのはちょっと辛い。
声が高いだけあって、古文の授業のように眠くはならないけれど、専門教科の複雑な解式を聞いているようで、片耳から入ったものが脳内を素通りし、片耳から出て行く。
新聞でも読むか。
「ね、お兄ちゃん。そう思うでしょ?」
ん?なんか、急に振られたぞ。
何の話をしてたんだいったい?
二人の顔を見て見るけれど、全く何の話をしていたかなんて想像もつかない。
「まあな」
適当にそう答える。
渚が同意を求めるってことは、彩香が同意を求めてくるより“まし”な可能性が高い。
彩香に『どう思う?』って突然言われたら、『いいや』と間違いなく答えるけど。
「まあな、って話聞いてたのぉ?よーいち」
彩香が疑り深い表情をして、俺のほうを見てきた。
実を言うとあんまり聞いてない。
でも、YES!とはっきり言うと、拳か何かが飛んでくるのは間違いない。
空手部に入っていないだけが唯一の救いだ。
「Fragment的に」
「何それ?」
顔をしかめて彩香が言った。
「辞書でも引け」
Fragment、たしか断片という意味だったと思う。
「断片、って言う意味だよね、お兄ちゃん」
おお、さすが。
「さすがだな、渚は。誰かさんと違って」
「誰かさんって誰のことかしら?」
彩香の眉間にしわがよった。
「おや、誰か来たようだ、ではでは失礼させて頂く」
もちろん、誰も来客なんて来てないけど。
そんな事を言いながら、二人に背中を見せないように、さささっと引き下がり、リビングのドアから廊下に退出する。
「あ!こら、よーいち!」
バタン、とリビングのドアを閉じて、玄関から外に出る。
家の中からなんか聞こえてくるけど、この際気にしない。
「あー、寒っ」
さーて、どこ行くかな。


近場の自販機で缶コーヒーを買い、そこいらをふらふらと、さまよってから帰ってきた。
それにしても、まだ5時半だというのに、ずいぶんと暗い。
それに、寒い。
はぁー、と息を吐き出せば真っ白になる。
空を見上げると、星が一つも見えなかった。
どうやら、雲に隠れているらしい。
雪でも降りそうな気配がする。
「ただいま」
靴を脱いで、家の中に上がろうとすると、彩香の靴が目に入った。
まだいるのかよ。
多分、俺が家を出てから1時間ぐらい経ってるぞ。
女ってのはそこまで話が好きなのか?
「あ、来た来た」
リビングを空けるなり、そんな彩香の声が飛んでくる。
思わず、眉間にしわがよった。


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と、こんな感じで実に中途半端なところで終わっていました。
しかも、私が書いたものながら、この後どんな話の運びにするつもりだったのか全く覚えていません。
いやはや。
それにしたって、今ではこんな読みやすい文は書けないと思いますねぇ。

2007年7月1日 日曜日

え、7月だって?

7月であります。
もう、ですよ。"もう"。
早いものです。
なんか、何もしていないような気がするんですよねぇ。

先月なんか、2回しか日記帳を更新していない上、小説、SS問わずまったく手付かずのまま状態で、
「お前ホームページ運営していく意思あんのか、こら」
とど突かれそうな感じで、自分の時間運営が下手さが恨めしくなります。

全くと言っていいほど、新作の進行状態について紹介できない状態が続いていますが、
あまり自由に使える時間も残っていないので、本当に「民俗信仰系」の小説は完成させたいと思っています。
ですが、歳を取って、頭の回転が遅くなってきているのか、筆記意欲というのが減衰しているんですよねぇ。

いかれるバッテリーたち

3月末あたりの話なのですが、デジカメや、ビデオカメラ、などに使うリチウムイオンバッテリーの充電器を新しく購入しました。
というのも、
私は、何か遠出をしたりすると、
EOS-D30 (デジタル一眼レフ バッテリーはBP-511)
FV M200 (ビデオカメラ バッテリーはNB-2LH)
PowerShotS60 (コンパクトデジカメ バッテリーはNB-2LH)
といった構成で、機器を持ち運びすることが多く、そういったときには万が一のことを考えて、一緒に充電器も持ち運びします。
ですが、充電器(特にBP-511用)が大きく、かさばってしまうので、
マルチバッテリーチャージャーという、キャノン製の、デジカメやビデオカメラで用いるバッテリーのほとんどを充電できる充電器(輸入物)を買って、
使ってみることにしました。


インターネットで注文し、数日後に届いた品はBP-511用の充電器と比べると非常に小さく、
若干チープな感じはしましたが、別にそれほど悪いと思えるものではありませんでした。
ですが!
こいつは意外なほど強敵だった。
と、いうのも、
充電しても、バッテリーが全く使えなくなる。
という現象に陥るからです。

これが、どんな状況かと説明すると、

電池が無くなる

充電器で充電。
↓(2時間とか3時間後)
充電完了

カメラに装備

起動

「バッテリー残量がありません。バッテリーを交換してください」

ちーん

純正充電器に取り付け
↓(5〜10秒後)
充電完了

カメラに取り付け

ちーん


といった、あきらかにおかしい動作を示し、5個以上の手持ちのバッテリーが充電できない状態になった為、
購入店のほうに連絡をいれ、商品を送り、調査してもらったのですが、結果は異常なしで、再び送り返されてきました。

で、まあ、異常なしって事はないだろう、と思いながらも、送り返されてきたバッテリーたちをカメラに取り付けてみると、
やはり、すぐバッテリー交換を催促されてしまう。
ですが、テスタで電圧を測ってみると、問題なく定格以上の電圧がでており、問題なく見えます。
「・・・」
ですが、実際はすぐ電源が落ちてしまう。
となると、負荷電流を流すと、電圧が下がるんだな?という考えに至り、
今度はカメラにバッテリーを取り付け、電源をいれた状態で電圧を測ってみる事にしました。
すると、電圧投入前までは、8.4Vぐらいあったのが、電源を入れた直後からものすごい勢いで電圧が降下しはじめ、
10秒後に6.5Vまで低下し、ついにカメラは機能停止。
もちろん、テスタをかませた事による機能不全も考えられるので、正常に動作している数少ないバッテリーで実験してみるたのですが、
電圧は8.4V付近で安定しており、テスタによる影響は全く考えられない。
「・・・」
ここでふと思ったのですが、
販売店側はどんな状況で、正常動作を導き出したのだろう、という事。
一応、今日の朝方、メールで問い合わせをしてみたので、近々返答が帰ってくるとは思いますが、
それにしても、本当にひどい商品を引いてしまった。

みなさん、携帯電話などの社外品充電器など使ったりするかもしれませんが、
信頼できる純正品や、信頼できる会社のを使ったほうがいいと思います。
まさか、電池のほうではなく、充電器のほうで泣きを見るとは思っていなかったあさなぎでした。



(動作不良に陥ったバッテリーたち。
 右3個は充電器とバッテリーを調査に出している間代替品として送られてきたバッテリー。こいつらもダメになった)

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