マツダ ロードスター S Special Package 6MT (ND型 2015年5月モデル)

2019/12/30

概要

マツダ ロードスター(ND型) S Special Package 6MTのインプレッションになります。
4代目のロードスターになります。
パッケージングに惹かれ、新車での購入に至りました。

インプレッションするのは以下のモデルになります。
ソフトトップ
S Special Package
6MT
セーフティパッケージ、i-stop,i-ELOOP付き

注意点:日常・レジャー使いでのインプレッションです。
峠を攻め込んだり、サーキットで限界走行をしてのインプレッションではありません。

エクステリア

一級品だと思います。
カーオブザイヤーを取るだけあって、優れたデザインです。
ローワイドのボディ、リアの絞り込み、サイドライン、
ごちゃごちゃしていないキャラクターライン、秀逸と思います。




動力性能

エンジンは、SKYACTIV-G 1.5 直列4気筒DOHCガソリンエンジンです。
ハイオク仕様になります。



車重が1030sに対して、130PSあることから、軽快に加速します。
6MTのギア比も適切な間隔であると感じますね。
(この6MTのギア比に慣れると、BKアクセラの5MTがかなり開いていると感じます)

エンジンレスポンスはとても良く、アクセル操作に、素早く追従してきます。
BKアクセラと比べると雲泥の差ですね。
リニアさという点においては、中間にECUが入っていますので、
高負荷低回転時は、ECUが仲介して、エンジンをまごつかせない様にしているのが分かります。
エンジンとの対話、という点ではやはりワイヤーにはかなわないかな?
と思ったりもしますが、逆にリニア過ぎても操作に疲れてしまうので、考えどころですね。

エンジン音は、BKアクセラに比べると大きめです。
2500rpm以下で回している分には大人しく、普通のガソリンエンジンですが、
回していくと、軽快なサウンドを奏でます。
1.5L NAですが、トルクがある+車重が軽いので、普段使いでは、2500rpm以上回す必要はないですね。

オープントップ

オープンカーですので、屋根が空きます。
ロードスターRFのように電動ではありませんが、操作は非常に簡単かつ楽です。
慣れると5秒程度で開閉が可能です。

街中をオープンにして走っていると、ちっちゃい子どもから
「見て!あの車屋根が無いよ!」
って言われたりします。
屋根はあります。

ハンドリング

電動パワーステアリングが採用されていますが、違和感は感じないですね。
操作性は、軽すぎもせず、重すぎもせずですね。
ライントレースは狙った通りにできます。
ただし、頭が軽く、しかもFRのため、雑な操作をすると、
すぐ挙動に出るので、BKアクセラより操作には気を使います。

足回りは固めですが、ガチガチではありません。

操作系

シフトレバーの位置が実に良い位置にあります。
小さめのシフトレバーや、細めのハンドルは、車の軽さを表しているかのようで、良いですね。

クラッチ、ブレーキ、アクセルの操作性も良好です。
特にいじらなくても、良いと感じます。

インテリア

落着きのある3眼メータが鎮座しています。


センタータコメーターはすばらしい。
全体的に、シンプルなデザインでいいですね。

ただ、水温計は100度以下もリニアに表示して欲しいところです。
(ラジエータキャップの気密性が悪くなると、100度以下でもオーバーヒートするため)
趣味車ですから、きちんとユーザーに説明すれば「水温計が動いている!故障じゃ無いか!」
という事も無いでしょう。


全体的なインテリアとしても、余計な装飾や、キャラクターラインも無く、落ち着いています。
見飽きないデザインですね。

座席・シート

ファブリックシートです。
BKアクセラに比べる低い位置に座席があります。
乗り込むと、タイト感があり、足元も狭めですね。
各ペダルの間隔も狭めかと思います。
これは、排気管が運転席側に来ているためかと。(そのため輸出仕様の左ハンドルではそうは感じないでしょう)
助手席は運転席に比べると広いです。

静粛性

・オープン時
オープンカーは、風の巻き込み音とか煩いのでは?と思っていましたが、
イメージよりは、静かでした。
オープン状態でも、60q/h程度では、自転車で30q/hで走っている時より静かです。
高速道路でもオープンにしてみましたが、80q/h程度ならば、風のバタつきも少なく、快適です。
100q/hほどになると、風がバタつき始めるので、「まあ、閉じたほうがいいかな」と思います。
推測ですが、高速走行では、閉じたほうが風の乱れが少なくなり、燃費がよくなるでしょうね。

・クローズド時
屋根を閉じていても、普通の車よりは、車外からの音が良く入ってきます。
普通の車でたとえるなら、「リヤウィンドウがちょっと開いてる?」と思うような感じです。
幌屋根ですので、トンネル内ではルーフから音がワンワン入ってきます。
雨の時も、幌をたたくポツポツ音が結構します。
一般道を走っている分には、オープンのほうが音が逃げて静かですね。

エンジン音は、BKアクセラよりは入り込んできます。
回すと車内には、スポーティな音が入り込んできます。
まあこれは、車の性格を考えるとデメリットではないでしょう。

荷室

トランクは130Lの容量がありますので、普段使いの買い物や旅行などは十分こなせます。



ただ、旅行は泊数が多くなると、お土産の量を考えないといけないでしょう。
私は荷物がトランクに収まらない時は、運転席や助手席の後ろに荷物を込めたりしてます。
(運転席は、私の体格(170p弱)でポジションを合わせると、シート裏が15pほど空くため。
 身長が大きい人または足が長い人は、使えないかもしれません)
車内はダッシュボードがありません。
アームレスト下の収納スペースも、190mlの缶コーヒー1本程度のスペースしかありません。
ドリンクホルダーは、後ろにあるので、少々取りにくいです。
(助手席を使わない時は、片方のホルダーを、助手席前方に移すことができます。
普通の車のユーティリティは無いですね。
ティッシュボックスを置くスペースもないので、
私は、袋タイプのものを助手席とドアの間に詰め込んでます。

オーディオ関係・ナビ

マツダコネクトがついています。
ナビの性能については、ゴリラのほうがいいなぁ、と思ったりもします。

また、マツダ車は、マツコネを全車種(OEM除く)に導入しているんだから、
プローブ情報を用いて、渋滞回避が出来るようになれば、と思ってしまいます。
ナビ以外の機能でいえば、車両情報を任意で表示できる機能があっても良いのではと思います。
スポーツカーならなおさらです。

燃費

平坦な道を走っての話ですが、
OBDII対応レーダー探知機 GWR70sdの値では、
エンジンが冷えた状態から始動して、
・片道6qの信号が少ない郊外路を通勤して、約18q/l程度
・信号が多い街中を10分程度走って、15q/l程度
エンジンが暖まった状態で、
・高速道路を90〜95q/hで走って、19〜20q/l程度
 80q/hちょっとで走れば、23q/lは走ります。
・信号の少ない郊外路を走って、18〜20q/l程度
といったところです。

i-ELOOPについては、減速時にエネルギー回生され、充電されますが、
回生されている時と、回生されていない時で、減速感が違います。
回生の傾向としては、どのギアでもアクセルペダルを離すと回生が始まりますが、
1〜5速は回生量が少なめで、6速のときが一番多いです。
なので、減速時にシフトダウンを適時し、エンジンブレーキを使うよりは、
6速でそのまま減速していったほうが、回生が速い気がします。
また、ブレーキを踏むと、回生量が多くなります。

その他

i-activesenseとして、HBC、LDAS、BSMがついています。
HBC、LDASについては、GJアテンザのほうが圧倒的に性能が良いです。
LDASは、車線を認識しているのしていないのかよくわかりません。
カーブなどでは、認識しないと思っていたほうが良いでしょう。
GJアテンザは、カーブでもよく反応していました。
マツダには、ロードスターにも、A-SCBSはつけてもらいたいものです。
(2018年 年次改良でついにつきました)

ヒルローンチアシストがついており、坂道発進が非常に楽ではありますが、
これに頼っていたら、MT車の運転技能は低下してしまう気がしますね。

最後に

マツダのロードスターは、ライトウェイト2シーターオープンスポーツとして、
かなり貴重な存在です。
車はただ単に走れば良い、や、速ければ良い、からは離れた存在で、
作り手の車への思いが伝わってきます。
この価格で、こんなに良いドライバーズカーが手に入るのは今のうちだけかもしれません。

デザインも秀逸です。
ただし、デザインのみで選んでしまうと、ミスマッチを招くと思います。
車として優秀なハンドリング、運動性能を持っているが故、
だらっとした運転を許容する車ではありません。
長距離を走って楽な車でもありません。(楽しくはありますが)
購入する理由が、「オープンにして彼女とデートしたいから」という理由だけなら、
違う、ラグジュアリーな車をおすすめします。

この車は、マツダのロードスターらしい、ピーキーな部分もありますが、
それを受け入れられるなら唯一無二の存在です。。
フルオープンにして、風を受けながら夕方の郊外路を走っていると、
この車を買って良かった、と思いますね。

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